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江戸時代から続くネギのブランド「千寿葱」
「月刊商工会」の記事より・コーディネーター&プロデューサー 三武美津枝
冬の定番の料理といえは、アツアツの鍋料理てすか、何といっても鍋の名脇役はネギ。どんな鍋にも相性がよく、ネギの旨みが主役の肉や魚貝の味わいを深めてくれます。関西ではネギの青い部分、関東では白い部分か好まれるとされますが、関東のネギにはプ口の料理人が好む、究極のおいしいネギ「千寿葱」があります。「千寿葱」は、東京、千住のネギ専門の市場でセリにかけられた中から、生産者、市場、葱商が「千寿葱」の名にふさわしいと認めた高級ネギのことで、葱商の名前をつけて「葱茂の千寿葱」なとと名つけられて販売されています。
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ネギのソムリ工葱商「葱茂」
千寿葱は行戸時代から200年余りもの問生産されている伝統的な野菜です。その生産量は一般に出回るほど多くないため、知名度はそれほど高くありません。一般にあまり知られていない理由は、生産農家、世襲制の市場や厳しい条件で受け継がれてきた葱商、一流の料亭や料理人などの限られた関係者が、千寿葱の最高品質を保持するために、生産から販売までの流れを守り、千寿葱に関わる人たっちの信頼関係の中で取引される伝統の江戸野菜だからともいえます。こうして今も最高品質を誇る千寿葱は、関東圏の老舗とよばれる料理店の約8割で使用されています。
ネギ専門店の市場で千寿葱を扱う葱商(仲買人)の一軒である「葱茂」の三代目、安藤将信専務は、祖父、父と続く家業の葱商を継いで今年で10年目です。もともと出版社のサラッリーマンでしたが、転職を考えて手に職を持とうと手打蕎麦職人になり、一流手打蕎麦店で修行をした後に、何と家業を継いだというユニークな経歴の持ち主です。
サラリーマン時代の会社組織での経験や、一流手打蕎麦店での修行など、それぞれの仕事の経験を生かしながら、千寿葱を多くの人に広めようと独自の発想で葱商の世界に新風を吹き込んでいます。
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「葱商は八軒ありますけど、自分はいろいろなことに取り組んでいるかな」。彼は伝統的なしきたりが残る葱商であっも、これかりは新しい事業経営が必要だと考えています。
そんなわけで、安藤さんは近郊の農家の生産状況を調べたり、新しい生産農家を探したりと、生産者と直接向き合って情報収集や交流を行っています。
「関東近郊の都市では農地が少なくなって、千寿葱の農家は減ってきているんです」。代々続く生産農家は、埼玉県の深谷市、越谷市、春日部市などにあり、こうしたエリアは都心に近い通勤圏に位置することや、後継者不足などの問題からか、次第に農地が住宅地に替わり、減少していく傾向があるのだそうです。
「葱商は卸なので、今までは小売はしなかったけど、自分の時から直接の小先も始めました。売上の約40%近くまで小売部門が増えて、地元の大手スーパーや一部の高級スーパーでも取り扱ってくれるようになりました。蕎麦店、鍋料理店、焼き鳥屋、料亭などに配達していますけど、一般の人たちにも千寿葱を知ってもらい、知名度がもっと広がるといいですね」
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