CHEF`Sのアンテナバリサン男こと、M2のちょっとマニアックな熱血ストーリー
Vol.5
「100年のカッター」
もうかれこれ10年くらい使ってるかな。
何千円もする筆でもなく
何万円もするエアブラシでもなく
100円ちょっとのカッターナイフ。
無くなってもまた買えばいい、
コンビにでもどこでも売ってる。
そんな身近なものだったから
何のプレッシャーも無く気楽な気持ちで使い続けて早10年。
壁画職人をやっていた頃、
こいつと共に全国津々浦々、様々な現場を回っていた。
二つと同じ現場は無かったけど
どんな大きな壁でも、どんな過酷な現場でも、どんな素材でも、
こいつを握れば、なんでもできるっていう自信がなぜか湧いた。
そんな魔法のカッターだった。
最終的に絵を仕上げるのはエアブラシだったり筆なのに
なぜか自分に魔法をかけてくれるのはこの100円のカッター。
こいつは使いやすいだけでなく
不思議なもので、何度失くしても戻ってくる。
紛失したり壊れてしまったり、そうして新しいものに変わっていく道具ってたくさんある。
でもこのカッターだけは何度失くしてもどこからかフッと出てくる。
二度と戻ってくることの無いような地方の現場でも。
何年も使ってるうちに
気づけば唯一無二の存在になってた。
最初は道具なんて何でも同じかなって思ってたけど
そのカッターと出会って、道具を大事にするようになった。
道具だって魂があって、一つ一つ癖も性格も違う。
可愛がって感謝の気持ちを持って使えば
思いもよらないパフォーマンスを発揮させてくれる。
もうだめだって思うようなときも最後に助けてくれたりする。
これは俺ひとりで描いたんじゃないよな・・・って思うような体験もたくさんあった。
いつだったか。
壁画仲間と飲んでる席でそんな道具の話になった。
そしたら、それぞれに「そんな道具ってあるよな!」って話になった。
たまたま僕らは絵の中で見つけたけど
誰にでも同じ様な物ってあるんじゃないかな。
自分を強くしてくれるもの。
ペンだったりサングラスだったり。。。
その飲んでる席で、僕らはそいつのことをいつのまにかこんなふうに呼んでた。
「100年のカッター」
こいつだけは100年経っても使ってるよなって(笑)
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