Laugh Love Life Magazine

No.140 (2017.11.8)
MATSの高純度 高密度 高濃度ご縁物語

CHEF`Sのアンテナバリサン男ことMATSのちょっとマニアックな熱血ストーリー

第46回
「人が描く」

似顔絵をはじめて早13年、最初の頃とはいろいろ変わってきてます。
ここでは良い悪い別として常に今の自分が思っていること感じていることを
リアルタイムに残して行こうと思っています。

近年ほんと便利になってきまして、スマホやアプリが何でもしてくれる時代になりました。
それによってできるようになったことも多くて、僕も漏れなくスマホが手放せない生活を送ってます。電車の中でもほぼ全員がスマホを持って下を見ているなんて光景もよく目にします。

僕ら、10年ほど前はひたすら顔だけを描く似顔絵屋さんでした。
お客様もとにかく次々並んで、早業こそが名人芸という感じだった。
流れるような一筆で一瞬で特徴を捉える。すると横から見てた人が「たいしたもんだね~」と言い、
パッと絵を出した瞬間そこに集まっていた人の山から歓声が沸き上がる。
そんな光景が良く見られておりました。

しかし数年経ってみたら、街を歩けばそこらじゅうに似顔絵屋さんが居て、
みんな同じようなことをしている。
僕らの存在は珍しいものではなくなってしまいました。あんな光景も少なくなった。
なんならスマホで高画質な写真が何枚も撮れる上に、アプリで面白い加工がいくらでも出来る。
手描きの似顔絵なんか、古臭いのかな・・・なんて思ってしまうときもありました。。

そして。
一旦話は机の上に移り・・・
クリエイターとして絵を描く上でも変化が。
今や「ググる」なんて言葉もあるくらい、PCやスマホで検索すればそれに関連する画像がどんどん出てくる。
ホント何を描くにも助かるし、ただ普通に似顔絵を描いているだけでは生き残れない昨今、
クオリティに差をつけるのに本当に役に立つ。
おかげでどんどん複雑な絵も描けるようになりました。

しかーーーし!
これが落とし穴!!!
あれ?どんどん便利になっている反面、窮屈になっている部分もあるぞ!

「資料に縛られている!!どんどん出てくるから延々と資料ばかりを探す癖がついている!!
さらには資料が無くては描けない体質になっている!!!」

これは・・・!いつからかスマホを持ち歩いていないと落ち着かなくなってる現象と似ている!!
気づけば自分の目と頭と手で絵を描くことをしなくなっていたんですね。
しなくなっていたのならまだしも、知らないうちに出来なくなっていたらそれが一番怖い。

よく考えたら、僕が学生の頃(20年ちょい前)は一つ資料を探すにも本屋や図書館に走ったモンです。
何とかして手に入れた貴重な資料を基に、後は自分の頭と技術を搾り出して一つの作品を作る。
もちろんその時間のロスを考えたら、格段に効率は上がってるんですが、
その一枚の大切さを少し忘れてしまってますよね。

そして話は最初に戻り。。
僕らは古臭いと思われた似顔絵・イラスト職人。
やっぱり原点はあそこにあるんです。僕らも人なら見る人も人。
人が人を楽しませている。
子供の頃、絵が上手いというだけで「あれ描いて!これ描いて!」とチヤホヤされた。
その時は資料なんてそこには無くて記憶と勢いだけでみんなを沸かせてたんだ。

とはいえ、もちろん苦手なものも描いたことのないものもまだまだたくさんある。
そんなときは便利な道具を使って必要最小限に資料を揃えれば良い。
下手でも粗くても良いから思い切って一筆を入れる勇気。
そこに会話があって、センスと経験が上乗せされて人を感動させている!
これなんだよな!人が描くってことは!!
そういえばデザインの現場で働く友人も今は手描きで描ける人材が減ってきてるって言ってたわ。

最近は山のような作業に追われ、家で作業をしているとつい良い資料をずっと追い求めて、あっという間に時間が過ぎてしまうという現象が起きていたので、
意識的に資料は最小限に抑えるよう心がけている。

今は確信に変わってきている。

人が描く!・・・これは古いとか新しいとかそんなんじゃなくて、いつまでも変わらないってこと。

AI時代も迫って来ていると言うけど、あえて逆行を突っ走ってみようと思う!

MATS



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