Laugh Love Life Magazine

No.106 (2016.6.8)
RYOの、岩川良平ですが…何か?

こんにちは! 毎度ありがとうございます。

ここでは僕、RYOこと岩川良平が映画を紹介します。

ちょっと病んだ人というか、突き抜けた人を扱った映画って面白いですね。
サイコパスや変態と称されるキャラクターが多いですけど。
その魅力はカリスマとは違うし、怖いもの見たさなのでしょうか。

今回の映画はそんなやりすぎてしまった男の話。


第29回「フューム ある人殺しの物語」


RYO

*** *** ***

監督:トム・ティクヴァ
主演:ベン・ウィショー
2006年製作。

*** *** ***


18世紀のフランス。悪臭漂う魚市場で産み落とされたジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。
彼は孤児院で育てられるが、生まれながらに数キロ先の匂いも感じ取れる程の驚異的な嗅覚を持っていた。

成長した彼はある晩、芳しい香りを放つ少女に夢中になり、誤って殺してしまう。
少女の香りは死と共に消えてしまった。その後、彼は少女の香りを求めて調香師になり、香水作りに没頭する。
新たな地で彼は、裕福な商人リシの娘・ローラ(レイチェル・ハード=ウッド)を見つける。
以前街角で殺してしまった少女にそっくりなローラから漂う体臭は、まさにあの運命的な香りそのものだった。
なんとしてもあの香りを香水にしたい。グルヌイユは脂から匂いを抽出する手法を習得、そして禁断の香水作りに没頭していく。

*** *** ***


さぁ、主人公ジャン=バディスト・グルヌイユ。
演じるのはベン・ウィショー。
最近では「007」シリーズの若きQ役もしていましたね。

究極の匂いフェチであるグルヌイユは、最高の香りを求めるあまり次々と少女達を殺していくが、彼に罪悪感はない。
ひたすら自分の理想を求めるのみ。
罪悪感どころか他の感情も欠けているのではないか。
愛情を注がれずに育ち、生まれた意味も知らない。
理想にたどり着くことができれば満たされるかもしれない。
フェチだの変態だのと茶化してみたけれど、哀れな男の物語です。

映像的にも面白い映画でして。
以前紹介した「デアデビル」では聴覚を映像化していましたが、これは嗅覚を映像化している。
といっても派手なCGなどではなく、匂い・臭いを想像させる映像。
冒頭は特にオエーッなシーンも多々ありますが、生々しい香りが画面から伝わってくる気がしますよ。
グルヌイユ君がクンカクンカして悦に入っているところなどはとてもフェティッシュで官能的。
映画全体の色使いもキレイだし。

ラストシーンは圧巻。
公開時に話題になりましたが、まさしく異様。
グルヌイユを受け入れられない人から見れば最高に気分の悪い場面だと思うが。
究極の香りを手に入れたグルヌイユは、ついに愛を知る。
香水は人々の憎しみを愛に変えたが、それを見た彼は最初に殺してしまった少女を思い出す。
あり得なかった彼女との抱擁、キス。
涙を流すグルヌイユの胸中の空しさたるや。

ああ空しいなぁ。
いっそ殺してくれ、と身を差し出すも叶わず、娘を殺されたはずの父親すらも跪く。

これだけ異様なラブシーンもそうはない。

好き嫌いが分かれるであろう作品ですが、興味が沸いたら見てみて下さいな。

*** *** ***
それではまた次回。
ご意見ご感想、皆さんのオススメ作品などあれば教えてください。
お待ちしています!


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